
先日、地元の広木まちづくり協議会さんからお声がけいただきまして、「青少年育成大会」の場で講演をさせていただきました。
60分間、たくさんの地域のみなさんの前でお話しする機会をいただいて、本当にありがたい一日になりました。
きっかけは、1本のブログ記事でした
事の始まりは、以前うちのサイトに書いたこの記事。
東北大学の川島隆太教授の研究データをもとに、「スマホが子どもの脳に与える影響」について、わが家のリアルなエピソードも交えて書いた記事です。
これを読んでくださった広木まちづくり協議会の方から、「ぜひこのテーマでお話いただけませんか」とご相談をいただきました。
書いた内容に共感してくださって、「地域のみんなにも聞かせたい」と言っていただけたのが純粋に嬉しくて、ありがたくお受けさせていただきました。
準備で一番こだわったこと
実は、私はIT企業を経営しています。普段はデジタルを使った仕事をしているし、学校でもタブレットを使ってプログラミングを教えている立場。
だから、「デジタル全否定の話」には絶対にしたくなかった。
GIGAスクール構想で、子どもたち一人ひとりにタブレットが配られて、学校では本当に素晴らしい学びが広がっています。一人ひとりのペースで学べる個別最適化、自分でテーマを決めて調べる探究活動、手を挙げにくい子も意見が言える全員参加の授業、友だちと一緒に作り上げる協働学習。先生方の働き方改革にもつながっている。
学校での学習用デジタルは推進する。でも、子ども個人のスマホは制限する。
これは世界の流れでもあって、フランスでは2018年から15歳以下のスマホ使用を法律で禁止。イタリア、オランダ、英国でも同じような動きが広がっています。
「デジタル=悪」ではなく、「使い方の問題」。このバランスを伝えることが、デジタルに関わる仕事をしている自分の役割かなと思いました。
配布資料も準備しました
せっかく集まってくださるみなさんに、何か持って帰っていただけるものを、と思って、A4両面の資料を2種類準備しました。
📄 保護者向け「まとめシート」 — 表面に講演内容のまとめ、裏面は「我が家のスマホルール」を家族で書き込めるシート
📄 子ども向け「ワークシート」 — お子さん自身が「じぶんチェック」をして、「じぶんのルール」を書き込めるシート
「冷蔵庫に貼って、家族みんなで話し合うきっかけにしてください」とお伝えしました。
ルールって、親が一方的に決めて押し付けても、子どもは守ろうとしないんですよね。自分で考えて、自分で書いたルールは、ちゃんと続けられる。そういう想いを込めた資料です。
アンケートで見えてきたこと
講演後、主催者からアンケートの集計結果を送っていただきました。「大変良かった」「良かった」を合わせると97%以上の方が好意的に受け止めてくださっていて、まず純粋にホッとしました。
自由記述の感想を読んでいくと、特に多かったのがこんな声。
「データに基づいていて説得力があった」 — 準備段階で「感情論じゃなく、ちゃんとエビデンスで伝えよう」とこだわった部分。伝わっていて嬉しかったです。
「デジタル全否定じゃないのがよかった」 — 先ほど書いた「準備で一番こだわったこと」が、ちゃんと届いていた。
「3週間でリセットできると聞いて希望が持てた」 — これが一番多く目についた声かもしれません。「もう手遅れだと思っていたけど、今からでもやり直せるんだ」と書いてくださった方が何人もいて、この研究データを入れて本当によかったと思いました。
予想外だった反応——「自分自身のスマホを見直さなきゃ」
そして、アンケートを読んでいて一番驚いたのが、「子ども」ではなく「自分自身」のスマホの使い方を振り返ったという感想がとても多かったこと。
「子どもに言う前に、まず自分がスマホを触りすぎている」「食事中にスマホを見ている自分に気づいた」——こういう声が、30代の親御さんからも、60代・70代の方からも出てきていたんです。
これは講演の中でも触れたポイントではあったんですが、ここまで響くとは正直思っていなかった。
考えてみれば当然で、子どもにだけ「スマホやめなさい」と言っても、目の前の大人がずっとスマホを見ていたら説得力ゼロですよね。
「まず大人が変わらないと」——そう気づいてくれた方がたくさんいたことが、何よりの収穫だったかもしれません。
「自分ごと」にできるかどうか
校長先生や地域で子どもを見守っている方々が、口を揃えてこう言ってくれたのも印象的でした。
「これは本当に、親が知るべきことだ」
現場で子どもたちの変化を肌で感じている方々の言葉だから、重みがありました。
スマホ依存って、ある日突然「依存しました!」って症状が出るわけじゃないんですよね。
気づいたときには、すでに脳の発達が止まっていて、感情のコントロールが効かなくなっている。
しかもそれを「思春期だから」「性格だから」と片付けてしまう。スマホが原因かもしれない、という発想にすらならない。
こういう話を「自分ごと」として受け止められるかどうか。それが子どもの未来を左右するんだと、改めて感じた一日でした。
これからも、できることをコツコツと
アンケートの中に、「家に帰って家族で話し合いたい」「今日からルールを決める」と書いてくださった方がいました。
あの日、会場で聞いてくださった方が、家庭で一つルールを作る。それだけで、子ども一人の脳が守られるかもしれない。大げさじゃなく、本気でそう思っています。
声をかけてくださった広木まちづくり協議会のみなさん、そして参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました!
もし「うちもスマホのルール、ちゃんと考えなきゃな」と思った方がいたら、こちらの記事も読んでみてください。我が家のリアルな失敗談と、脳科学の研究データをもとに書いています。
夜9時以降は、スマホを親が預かる。たったそれだけで、3週間後には変わり始めます。
