今日は「eスクールステップアップ・キャンプ2025鹿児島大会」に参加してきました。
IT企業を経営している立場と、小学生の親という二つの顔を持つ私にとって、今日の学びは本当に大きかったので、ブログでシェアしたいと思います。
「GIGAスクールって聞いたことあるけど、よくわからない…」 「うちの子、タブレット使って大丈夫?」 「デジタル教育って、結局何がいいの?」そんな疑問を持っている保護者の方に、ぜひ読んでいただきたい内容です!
まず「GIGAスクール」って何?

GIGA = Global and Innovation Gateway for All (全ての人にグローバルで革新的な入口を)
簡単に言うと、 「子ども一人に一台、タブレットやパソコンを配って、これからの時代に必要な力を育てよう」 という国の取り組みです。
GIGAスクールの歴史(超簡単版)
- 2019年〜 「これからデジタル化進めていこう!」と計画スタート
- 2020年(コロナ禍) 「学校に行けない!オンライン授業が必要!」 → 急いで全国の子どもたちに端末を配布
- 2023年〜(GIGA 1.0) 「とりあえず配った。でもどう使えばいいの?」 → 学校も先生も試行錯誤
- 2025年〜(GIGA 2.0)← 今ここ! 「使うことが目的じゃなく、どう学びを深めるか」 → 本格的な活用フェーズへ
今日の講演では、この「GIGA 2.0」について詳しく聞くことができました。
基調講演:文部科学省 寺脇史朗氏のお話

一番大事なポイント:「タブレットは目的じゃない」
講演で何度も強調されていたのが、 「端末を配って終わり、じゃない」 ということ。
じゃあ何が大事なの?それは、 「子どもたちがどう深く学べるか」デジタルツールは、あくまで「道具」。 包丁や鉛筆と同じ、使い方次第なんです。
「デジタルVS紙」じゃない!
これ、すごく誤解されているポイントだそうです。
❌ 間違い:「これからはデジタル!紙は古い!」「デジタル学習になって成績が低下?紙がいいんじゃない?」
⭕ 正解:「子どもに合った方法で学べることが大事」
例えば:
- 繰り返し練習したい時 → タブレットが便利(何度でも間違えられる)
- じっくり考えたい時 → 紙に書くのもいい(思考が整理できる)
- 友達の意見を見たい時 → クラウドで共有(いろんな考え方に触れられる)
- 先生に質問したい時 → 対面で話す(すぐに疑問が解決できる)
どれも正解。その子に合った方法を選べることが重要なんです。
衝撃の事実:35人クラスの11.5人は何かサポートが必要
講演で知って驚いたのが、この数字。35人のクラスがあったとして、
- 発達に特性がある子
- 外国籍の子
- 不登校傾向の子
- 日本語指導が必要な子
などを合わせると、平均11.5人。 つまり、3人に1人以上が何らかのサポートを必要としている時代。
「みんな一緒に、同じペースで」が、もう難しいんです。でも、デジタルツールがあれば?
✅ 自分のペースで学べる
✅ 学校に来られない日も授業に参加できる
✅ 得意なことをどんどん伸ばせる
✅ 苦手なことも焦らず取り組める
これって、すごく優しい仕組みだと思いませんか?
「格差」じゃなく「差異」
講演で一番印象に残った言葉がこれ。
「違い」を「格差(悪いこと)」として見るんじゃなく、 「差異(個性)」として認める。
みんな違って当たり前。 その違いを大切にしながら、一人ひとりが自分らしく学べる。
それがGIGAスクール2.0の目指す姿だそうです。
実際の授業はどう変わるの?
昔の授業(一斉授業)
・先生が黒板で説明
・全員が同じタイミングで問題を解く
・先生が答えを発表
・わからない子は、そのままスルー…(言い方が悪いですね。6割程度がわかれば次へ)
今の授業(GIGAスクール)
- 子どもたちが自分のペースで考える
- クラウド上で友達の考え方を見られる
- 「あ、こういう解き方もあるんだ!」
- 「この子の説明、わかりやすい!」
- 自分なりの答えにたどり着く
- コメント機能で質問や意見を交換
- 先生は一人ひとりの理解度を把握して、サポート
何が変わった?
- わからない子も、友達の考えを参考にできる
- 得意な子は、どんどん先に進める
- 「なぜそうなるか」を深く考えられる
- 自分の言葉で説明する力がつく
これ、会社の仕事と同じだなって思いました。 チームでアイデアを出し合って、最適な答えを見つけていく。
小学生のうちから、こういう力を育てているんです。
DXハイスクール実践事例
基調講演後は、鹿児島DXハイスクールの実践事例を聞きに行きました。
高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)とは
文部科学省が推進する高校段階におけるデジタル人材育成を目的とした補助事業で、情報・数学教育の強化やICTを活用した文理横断的・探究的な学びの充実を支援しています。
鹿児島県の高等学校でもいくつか認定校があってその取り組みや事例を先生方が発表していました。
- 鹿児島県立鹿児島水産高等学校
水産業の次世代を担うDX推進リーダーの育成として、取り組みをいくつか紹介していました。
海洋科では、PTタグを利用したチョウザメの個体識別をしていたり、情報通信科ではデジタルの技術でモールス信号の授業をみんなでできるようになったそうです。 - 鹿児島商業高等学校
設備投資や入学したらまずは情報活用能力調査をして先生方が共有したり、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を目指した授業をしていたり、小学校や中学校に出前授業にいったりなど先進的な授業をしているのが印象的でした。
社会に出てすぐ使えるスキルを、高校生のうちに身につけている。
「今の高校生、うらやましい!!」って心から思いました😆
情報リテラシーの課題

今日の講演では、良い話だけでなく、課題についても正直に語られました。
親として、そしてIT企業を経営する立場として、この「影」の部分もしっかり向き合わなければいけないと感じました。
日本は世界から遅れている?衝撃のデータ
2007年の時点で、日本のデジタル競争力は世界107ヶ国中22位でした。 そして、2040年の予測では、このままだと50位以下に転落するというのです。
なぜこんなことになってしまうのか?
講演では、「デジタルツールを使えるけど、正しく使いこなせていない」ことが問題だと指摘されていました。
つまり、タブレットやパソコンは配った、インターネットにも繋がる。
でも、それをどう使うか、どう活かすか、何に気をつけるべきか。そういった「リテラシー教育」が追いついていないということです。
SNSやネットがもたらす「負の側面」
デジタルツールが便利な一方で、危険な側面もあります。 講演では、現実のデータが示されました。
青少年のインターネット利用時間は、平日でも平均約3時間。休日になると4時間以上になるそうです。
そして、SNSに起因する児童生徒の被害は年々増加しています。 誹謗中傷、いじめ、プライバシーの侵害。 さらに深刻なのは、知らないうちに自分が加害者になってしまっているケースもあるということ。
軽い気持ちで投稿した写真や言葉が、誰かを傷つけてしまう。 悪気はなかったのに、取り返しのつかないことになってしまう。そういうことが、実際に起きているんです。
情報技術がもたらすリスク
講演では、具体的なリスクについても説明がありました。
フィルターバブルという言葉を聞いたことがありますか? これは、自分に都合のいい情報ばかりが表示されるようになる現象です。 SNSやネットの仕組み上、あなたが興味を持ちそうな情報ばかりが優先的に表示される。すると、世界が狭くなってしまうんです。
エコーチェンバーも似たような現象です。 自分と同じ意見の人たちばかりが集まるコミュニティにいると、その意見が正しいと思い込んでしまう。違う考え方があることに気づかなくなってしまう。
そして、ネット依存。 勉強する時間が減り、睡眠時間が削られ、リアルな友達との関係が希薄になっていく。
こういったリスクは、正直、子どもだけの問題じゃないですよね。 大人の私たちも、SNSで同じことをやってしまっていることがあります。
だからこそ、親自身がまず理解しないといけない。 そう思いました。
こういった課題については、家庭でも学校でも、しっかり教えていく必要があります。
この「情報リテラシー」については、また別の記事で詳しく書きたいと思います。 今日学んだことが多すぎて、一つの記事には収まりきらないので(笑)
GIGAスクール2.0で本当に大切なこと
「タブレットを配ることが目的じゃない」これが、今日の講演で一番心に残った言葉です。
大切なのは、子どもたち一人ひとりが、どう深く学べるか。
デジタルツールは、あくまで「道具」。 包丁や鉛筆と同じで、使い方次第なんです。
デジタルか紙か、という二択ではありません。 その子に合った方法で学べることが大事。
そして、「違い」を「格差」として見るのではなく、「差異(個性)」として認める。 みんな違って当たり前。
その違いを大切にしながら、一人ひとりが自分らしく学べる社会を目指す。
これが、GIGAスクール2.0の本質なんだと理解しました。
最後に
GIGAスクール2.0。 これは単なる「デジタル化」ではなく、教育の本質的な変革だと感じました。
一人ひとりの違いを認め、それぞれに合った学び方を選べる。 深く考え、学び続ける力を育てる。
そんな教育が、これから始まっていきます。
そして、それを支えるのは、学校だけではありません。 家庭での教育、親の理解と協力が、ものすごく重要です。
デジタルも紙も、対面もオンラインも、 全部使いこなせる子に育ってほしい。
2040年を生きる子どもたちと一緒に、 私たち親も、成長していきたいですね🌸
